週一のフットサルで「軽い捻挫」という勲章を両足に刻んだ加藤は、
この日のために新調した光り輝くゴルフシューズに、
機能停止した足首を無理やり詰め込んだ。
三重の難所スリーレイクスが誇る砂地獄のバンカーに足を踏み入れた瞬間、
新品のソールは吸い込まれるように砂の深淵へ消え、
加藤はただの「高価な靴を履いた地縛霊」と化した。
その悶絶する姿を、一匹の猿がフェアウェイから無慈悲に眺めている。
加藤が砂と格闘するたび、
猿は悟りを開いた長老のように静かに目を閉じ、
重力を無視した軽やかなステップで去っていった。
ゴルフとは、新品の靴を汚しながら野生の猿に生存確認をされる、
極めてシュールな儀式なのだと加藤は新たな発見をしたのであった。

